滲む空 ヘタ/リア 露

寝惚けてサイトいじってたら小話消しちゃったですよｖ←
てことでいい機会なので今度からこっちに小話かいてきます。

続きからどぞ

何もないことを恐れたわけじゃない。
独りを恐れたわけじゃない。
…降り積もる雪は、暖かくはない。
けれど、手に掬って握り締めただけで溶けて往く儚い雪の結晶は自分たちと同じだと思えてしまうから、僕にはそれだけで十分だった。

何もないことを恐れはしない。
独りはどちらかというと好きだから。
けれど、消えてしまうのは怖かった。

畏怖するのは自分の存在の危うさ。
消えてゆく仲間を見て、見続けて、呆然と流れる時間が如何に辛いか。
何時自分にその危険が振りかかるのかと恐れて恐れて必死でもがいた。

自分の手が汚くなっても、
白い大地が汚くなっても、

―あぁ、でも、雪の泣き声が聞こえるんだ。




掬い上げると、溶ける感触は冷たさしか感じさせなくて、雪はもう何も答えてはくれなかった。
それが悲しくて、ひたすらに泣いて、(汚したい)真っ白な大地。今はただ紅い大地が広がった。(どうして答えてくれないの、ねぇ)笑う僕を見て恐怖に顔を歪めて(もっと畏れてくれ)誰かが言った。(狂ってる？)上等だ、そうさ僕は狂ってる。



さらさら、雪は真っ赤になった。


滲む空
(さようなら、僕のだいすきな)
誰か答えて。僕は、いつから、
(空が真っ赤な涙を流していた)




提供：心之音。 病的、10題。
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