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「フランツ」
風が頬を撫ぜる。こびりついた血がかさりかさりと音を立てて、皮膚を軋ませる。金糸が太陽を浴びて煌めくのに、お前は太陽のように微笑わない。 抱き締めたら冷たかった。あんなに暖かったお前が、はじめて、こんなにも冷たい。俺が泣けば頭を撫でてくれたのに、涙を拭ってくれるはずの手は力無く地に落ちていた。 馬鹿だ。馬鹿だ。大馬鹿だ。俺の代わりに死んだなんて、馬鹿にも程がある。俺にそんな価値があるっていうのか。俺はこんなに子どもで、お前はいつだって大人だった。誰かに光を与えられるのはお前なんだ。だから、お前は生きるべきだったのに。 「言えよ、泣くなよって。馬鹿みたいに優しくしろよ。俺が付いてるって言ったじゃないか。なのにお前がいなくなるなんて、馬鹿じゃないか。なぁ、なぁっ…」 フランツ、俺はお前がいなくちゃだめなんだ。泣きたいときはどうしたらいいんだ。ユージェニーと喧嘩したときに誰が愚痴を聞いてくれるんだ。一緒に悪ふざけをしてくれる相手もいなくなっちゃったじゃないか。大好きな、大好きな、お前がいなくなっちゃったら、俺は、 「フランツっ…」 残酷な朝陽がお前を照らす。俺とお前を引き離そうとする。涙は溢れて止まらない。きっとお前が止めてくれないからだ。ほら、早く目を開けて、涙を拭いてくれよ。フランツ、 俺の、一番大事なひとは、微笑ってくれないのだ。 PR この記事にコメントする
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