欲 落乱 綾滝

下も合わせて精一杯甘くしてみた
こへ滝本命だけど過保護綾部な綾滝も好きです

提供：心之音。 恋人的10題。
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何かを求めていた。
それがわからないで悩み続けて、どこに行き着こうとしていたのだろう。
自分が好きだ。それは一生変わらない。周りは私を避けるようになる。それも予想は付いていた。
きっと一人になるだろうと、そう思いながらこの道に足を踏み入れた。
案の定誰も私に深くは入ろうとはせず、遠巻きに見つめられることを、苦にも思うことはない。ただ、何かが足りないと感じていたのは確かで。


「どうしてそんな顔をしているの」
女子のような顔立ちをした、名も知らぬ同級生はきっと名も知らぬだろう私に突然そんなことを聞いてきた。
（飄々として、まるで見透かしているような瞳で、）
「そんな顔とは？」
「泣きそうだ」
そう言って、そいつは泣いてもいない私の目元を白い手で拭った。
（飄々と、いけ好かない）
「ねえ、君は何で独りなの？独りが好き？」
無遠慮にずけずけと踏み込んでくる。何も知らないのに。何も、名前も、
ただ真っ白な肌は私と同じくらいだったから、きっとこいつも周りから遠巻きにされているのだろうな、と直感で思った。
（独り）
好きでもないし、嫌いでもない。
でも人は好きだ。

（独りは）

「楽だろう、色々」
「ああ…ん、そうだね」
ほら、やっぱりこいつも独りじゃないか。


「じゃあお揃いか」




そう言って、そいつが初めて笑った時、私は求めていたものを見た気がした。
(ずけずけと無遠慮に)

欲
もっともっと私に入り込んでと我儘を叫んでも、いいのだろうか。